目が痛い

目が痛い原因

 

「目が痛い」はまず、瞼(まぶた)が痛いのか、眼球が痛いのか、に分けられます。また眼球の痛みは、眼表面の痛みと、深部の痛みに分けられます。
眼表面はくろめ(角膜)としろめ(結膜とその奥の強膜)に分けられます。 くろめ(角膜)は、身体中で最も痛みに敏感な部位で、小さい傷や異物でも強い痛みを感じます。
一方、しろめの結膜は粘膜ですので、鼻粘膜のように感染症やアレルギー疾患にかかりやすく、痛みとともに粘液の産生(なみだ・めやに)、充血が起こります。 また深部の痛みの原因として、ぶどう膜炎や視神経炎などの炎症疾患、眼精疲労も考えられます。
また眼科以外の疾患、例えば副鼻腔炎などの耳鼻科疾患、奥歯の齲歯(うし、虫歯)や親知らずなど歯科疾患、三叉神経痛などの脳神経疾患によっても眼痛を自覚する可能性があります。

考えられる病気

麦粒腫・霰粒腫(ものもらい)

瞼の患部が赤く晴れ、その部分を上から触ると痛みを局所に感じることが多いです。瞼の分泌腺の細菌感染が原因です。軽症の場合は、抗菌薬による点眼薬を用います。腫れが見られる場合は、目薬に加えて抗炎症剤や抗生物質などを内服し、膿が溜まってしまった場合は、切開をして膿を排出していきます。 早めの治療が重要なため、ものもらいが疑われる場合は、速やかに眼科を受診してください。

睫毛乱生(逆まつげ)

さか睫毛には一時的なものと慢性的なものがあり、慢性的なものには睫毛を抜くことだけでは対応できず、手術治療が必要になることがあります。

角膜異物・結膜異物

角膜や結膜に小さな異物が入ると、通常、ご自身で取り除くのは困難です。そこで眼科医が細隙灯顕微鏡で拡大しながらピンセット類で除去する必要があります。また2次感染を防ぐために、その後に抗生物質の目薬を点眼してもらうことが多いです。 なお、洗剤や化学薬品などの液体が目に入った場合は、ただちに大量の水道水で洗眼して下さい。救急処置としてご自身でまず十分な洗眼を行うことで目のダメージを最小限にすることが出来ます。その後に眼科医は、目の状態を診断し、必要な治療を行います。例えば、目の表面を整える目薬や2次感染予防の抗生物質の目薬を処方し、必要により注意深く経過を診ます。

角膜ヘルペス・帯状疱疹

ヘルペスウィルスは、通常の抗生物質が無効で、特殊な軟膏や内服治療が必要となります。ヘルペス感染症は、異常を感じてから明らかな他覚所見(診断の手掛かり)が顕れるまでに数日かかることがあり、また再発もあることから、診断・治療が難しい病気です。

角膜炎

角膜が傷付いて炎症を起こした状態です。感想や異物が原因となっているほかに、コンタクトレンズの装用に関係して起こることがあり、すみやかにコンタクトレンズを外して、無理な装用を中止して下さい。
そのまま放置することで、角膜潰瘍や角膜穿孔を引き起こしてしまう危険性があります。専門的な治療が必要なことが多く、すぐに眼科を受診してください

ドライアイ

軽度の場合は生活習慣の改善や市販の点眼薬で改善することがあります。しかし一方で、処方薬の進歩も著しい分野です。

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眼精疲労

目の奥の痛みの原因として眼精疲労の頻度は高く、眼精疲労の症状にはほかに、かすみ眼・充血、重症の場合は頭痛や肩こりなど全身症状があります。眼科医が丁寧に診察することで原因を見つけ、治療を行っていきます。治療は、生活習慣や生活環境の改善のお手伝い、眼鏡やコンタクトレンズの矯正や度数変更、など幅が広く、場合によっては白内障や斜視のような疾患が見つかり、手術治療が必要になることもあります。

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結膜炎

ひとことで結膜炎といっても、原因もさまざまで、長期化するもの、角膜炎を併発するものがあります。

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ぶどう膜炎・虹彩炎

ぶどう膜炎とは、ぶどう膜と総称される虹彩・毛様体・脈絡膜に炎症がある病態で、虹彩炎はぶどう膜炎の目の前の方の状態を特に指します。目の痛みだけでなく、かすみ、視力低下を伴うことがあります。原因として、糖尿病、自己免疫疾患、感染症などがあり、日本では原田病、難病指定されている特殊疾患(サルコイドーシス、ベーチェット病など)も多いのが特徴です。このように全身疾患と関係することが多いので、内科など他科と連携して診断・治療していきます。すぐに眼科を受診してください。 

緑内障

緑内障には複数の種類があり、すべてが目の痛みを伴うわけではありません。原発閉塞隅角緑内障の急性発作は、激烈な目の痛みを伴うことで知られていますが、あまりの痛みのために頭痛や吐き気を伴うこともあることから、「救急車を呼んで脳神経外科に誤って搬送され、診断が遅れる」というエピソードが多いことが知られています。原発閉塞隅角緑内障の急性発作が起こった場合は、なるべく早く眼圧を下げる眼科的な処置が必要です。一方、発作自体を防ぐために、隅角が狭い眼に対して予防的にレーザー治療を行うことが有効です

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診察を受けて、適切な治療を受けましょう

目の痛みに対して、患者さんご自身の判断で(俗に抗菌目薬と呼ばれている)市販の点眼薬を点眼し、それでも良くならないから、と発症後ずいぶん経ってから受診される患者さんがいらっしゃいます。
そういう患者さんを診ると、心からお気の毒に思います。
それはまず、市販の点眼薬は、医師の処方する処方薬の点眼薬とは成分が全く異なり、効かないことが多いからです。また、見た目の改善を装うだけの血管収縮剤(目が赤いのが一時的にましに見えるようになる可能性)や、さし心地の爽快感を感じるための成分(サリチル酸、これはサロンパスなどの主成分)などが入っていて、むしろ病気自体を悪くする可能性があるからです。また、特に痛みを伴う眼の病気には、点眼薬だけでは不十分で、抗生物質などの内服薬が必要なことがあり、これは医師の診察による診断とお薬の処方が必要です。
痛みを我慢し続けることは、目の健康を損なうだけでなく、日常生活のクオリティーを下げた状態で過ごすこととなり、大きな損失と考えます。 伊丹中央眼科は、こうした患者さんの苦しみに対し、日曜診療なども行い、適時に適切に対応することで、皆様の健康に奉仕したいと考えています。