小児眼科

伊丹中央眼科の小児眼科について

小児眼科生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、明るさが分かる程度ですが、次第に大きくなるにつれて「見る」ことを通して視力が発達し、6歳頃になると大人と同等の視力にまでなります。これまでの時期に、しっかりとものを「見る」ことで学習しないと、視力が発達せずに十分な視力が得られない弱視となってしまいます。

伊丹中央眼科の小児眼科では、お子さんの眼科疾患を診るだけではなく、成長に応じた視力の発達をしっかりと確認しています。
お子さんの眼に関して、気になることがある場合はお気軽に伊丹中央眼科にご相談ください。

視能訓練士がサポートしています

視能訓練士伊丹中央眼科では、熟練した視能訓練士によって、視力検査・眼圧検査・視野検査・屈折検査などの眼科検査と指導を行っています。斜視・弱視などの小さいお子さんがスムーズに検査できるよう、必要時には特別予約枠にて対応するなど,きめ細かな配慮をしながらサポートしています。治療を効率よく進める為に、眼鏡のみならずコンタクトレンズを用いるというノウハウも駆使しつつ、他では出来ない治療のご提案も可能です。

伊丹中央眼科の検査主任、納田と申します。
患者様の思いに常に寄り添う視能訓練士でありたい、が私のモットーです。
どんな些細なことにもしっかりと耳を傾け、 患者様へ最善を尽くす労力を惜しまないことを心がけています。

学校検診について

学校における視力検査は、あくまでスクリーニングとして行う簡易的な検査です。視力はA~Dの4段階で評価されるだけで、近視・遠視・乱視,その他の疾患について診断ができません。学校検診は眼科診療に取って代わるほどのものではなく、お子さまの目の異常の「気づき」のため、保護者の方にお知らせをしているのに過ぎません。
お子さまの視力低下の原因の90%以上は近視です。近視は早期発見&早期治療が世界的なスタンダードになりつつあります。また、大人と違ってお子さまは異常があっても(悪い意味で)順応しやすく、治療が必要な病気があっても自らは訴えてくれません。学校検診で眼科受診を促されたら、必ず眼科を受診しましょう。

主な疾患

近視

近視が進行する主な要因として、環境、不適切な屈折矯正方法、遺伝が挙げられています。
環境要因としてはスマートフォンなどのデジタルデバイスの普及があります。長時間、至近距離(平均で20㎝という報告もあります)で、動くものを追い続けるスマホゲームに夢中になっていると、近視進行のスピードは速まります。また、外遊び時間減少の影響もわかっています。
屈折矯正方法として、単に“見えるようにするため“眼鏡を処方したり度数を調整したりという考え方は、近視進行抑制に工夫がないだけでなく、むしろ近視を進める可能性を秘めているため、終わりつつあります。
また両親共に近視である場合には、近視はより確実に進行し、重症化します。我々東アジア人(日本、韓国、中国など)は近視になりやすい人種であることが疫学的に明らかになっています。
大人になると近視があること自体が、生活を不便にするばかりか、緑内障・網膜剥離といった疾患の危険因子であることがわかっています。しかし近視が進むのは子どもの間なのです。ですので、子どもの近視は疾患であり、保護者と医療が積極的にかかわって、今以上に進んでゆくのを抑制すべきです。
近視治療は日進月歩ですが、伊丹中央眼科では最新の知見に基づいた近視抑制治療をご提案しています。学校検診で眼科受診を促されましたら、是非ご相談下さい。

近視予防としての生活習慣

日常の生活習慣改善が大切です。

  • 屋外で適度な運動をしましょう。1日1時間以上(学校の休み時間,体育の時間など含め)。
  • 読書やゲームなどの近見作業20分毎に、窓より遠い景色を20秒間眺めましょう。
  • スマホなど、デジタルデバイスを20㎝の視距離で見ると近視進行が加速します。スマホ内斜視になってしまうこともあります。

点眼薬による治療

低濃度アトロピン点眼の近視抑制効果についてのお問い合わせが増えていますが、低濃度アトロピン点眼の単独治療の効果は弱いことが学術的に証明されていて、伊丹中央眼科では単独での点眼処方はしておりません。光学的治療(オルソケラトロジー、多焦点ソフトコンタクトレンズ、特殊眼鏡)を行ったうえで、併用が有効と考えられる場合に点眼の処方も行っています。また高濃度のアトロピン点眼は、副作用とリバウンド(戻り)の問題が解決されていませんので、安易な高濃度アトロピン点眼の使用は慎重であるべきです。

近視の進行を抑える大切な理由

近視の大半は、眼の長さ(奥行き)が伸びる軸性近視です。眼軸長は一度伸びてしまうと、縮めることは出来ません。また、過度に眼軸が長くなると、成人後に近視由来の重篤な疾患の発症確立が指数関数的に増加することもわかっています。例えば、強度近視(-6.0D以上)では近視が無い場合に比べ、緑内障3倍、網膜剥離12倍、近視性黄斑症845倍、失明87倍(オッズ比)起こりやすくなってしまいます。よって眼軸長が伸びないようにすることが、一生涯に渡る視機能の保持にとても大切なのです。

斜視

斜視

片方の黒目は対象物の方向を向いているのに、もう片方の黒目は違う方向を向いている状態が斜視です。
眼の機能的異常で起こる場合と、脳や全身疾患症状として起こる場合があります。斜視で受診された子どもに、眼科診療によって、深刻な目の病気(網膜芽細胞腫、先天・発達白内障、小児緑内障など)が見つかることがあります。また子どもの場合、こういう病気が無くても、視力や立体視の発達のために、斜視は適切な時期のうちに治療する必要があります。
せっかくですので、大人の、程度の強くない斜視についても述べます。
子どもの頃には異常を指摘されていなくても、疲れた時などだけ外斜視が顕著になる、間欠性外斜視が大人に見つかることがあります。見た目にいつも目立っているわけではないので軽視されがちですが、注視しようと目を寄せる(輻湊といいます)際に目の負担が大きくなり、慢性的な目の疲れの原因となることがあります。

弱視

6歳くらいまでの成長段階において、見る訓練が出来なかった目は視力が発達せず、時期を逸してしまうと眼鏡などで視力矯正しても十分な視力を得ることができなくなり、生涯にわたり弱視となってしまいます。つまり、適切な時期に弱視治療を行い、視覚情報をうまく脳に伝達することが重要です。弱視治療は、理想的には3歳頃には始めるべきです。ですので弱視検出の機会である3歳児検診はとても重要です。伊丹市では3歳児検診にスポットビジョンスクリーナー(両眼開放下での他覚的屈折検査)が導入されており、弱視になる恐れのある遠視性不同視弱視や斜視は検出され易くなっています。3歳児検診にて弱視が疑われたら、必ず眼科を受診しましょう。適切に治療を開始できれば、小学校に上がる前には弱視治療を終了することが可能です。
伊丹中央眼科では眼鏡に加えコンタクトレンズを用いるなど、効率の良い弱視治療も行っています。

3歳児眼科検診を受けましょう

弱視治療は、3歳頃から治療を始めるのが理想的ですが、6~7歳頃でも十分な効果が得らることが多いです。ただし、8歳になってしまうと十分な治療効果が得られません。
早期発見のためにも、3歳児眼科検診を受けることをおすすめしています。
両目で鮮明な像が結ばれて立体視できるように回復させるためにも、できるだけ早めに受診してください。

はやり目

アデノウイルスが起こす角膜炎・結膜炎で、流行性角結膜炎と呼ばれています。感染力が非常に強く、完治するまで登園や登校は禁止されます。手をしっかり洗う、眼や鼻を触らない、タオルは分けるなどの対策を怠ると、あっという間に家族内でも感染が広まってしまいます。最初からしっかり炎症を押さえる治療を行わないと、治ってきた頃に免疫反応による角膜炎(角膜に小さな多数の濁り)が起こり、眩しさや視力低下を感じる原因になってしまいます。
伊丹中央眼科では、はやり目が疑われた場合、検査キットで検査を行い診断を確定し、点眼薬を処方します。通常、感染して1週間は治療が必要で、上記のようにこじれると数か月以上の長い治療を要することがあります。ご家族での感染の伝播も心配ですので、早めに受診ください 。

最後に、お子さまの受診の際の、伊丹中央眼科からのお願いです。

●お子さまの診療は検査などに時間を要することがあります。またお子さまは、待ち時間や検査そのもので疲れて集中力がなくなることもあります。以上のことから、複数回に分けて検査・診療を行うことが望ましいことがありますので、ご理解をお願いします。
●お子さまの受診の際、ほかのお子さま(兄弟など)や両親揃って来院されると、待合の混雑などにつながり、ほかの患者様に迷惑がかかることがあります。ご配慮をお願いします。
●保護者なしのお子さまだけの受診は、病状や治療の説明が不十分になりますので必ず保護者のお付き添いをお願いします。お子さまだけの受診の場合、医療安全に配慮し、診療・眼鏡処方・お薬の処方など、お断りすることがあります。